ノア 2006年3月21日(火)
第1回SEM ディファ有明大会観戦記


投稿者:KEIさん

観衆:400人


 本日はプロレスリングNOAHの実験的興行、SEM興行第一回目がディファ有明で開催。
祝日という事もあり、自分も何とか会場に駆け付ける事ができました。
実は自分がディファ有明に行くのは今回が初。遠いのと交通費が高いという理由で
これまであまり行く気にはならなかったのですが、本日は頑張って地図を見ながら
会場に到着。地図を見るほど複雑な道のりではなかったですが、何とも方向音痴なもので..。

 ディファ有明を見つけると入り口付近に立っていた男性二人組が
「最後尾はあの建物の下だよ。」と親切に教えてくれたので迷う事なく列の最後尾へ。
最後尾に行くと女性の方がSEM興行の注意書きを記した紙を渡すと共に
最後尾を指差して教えてくれました。ここら辺の係員の誘導の仕方、非常に親切です。

 自分、11時35分着で順番は67番目。意外に並んでいないやw
最後尾に立っていた女性が自分が何番目かを教えてくれました。どうやら
しっかりカウントしているようです。長時間並んでいたファンを追い返すような
事をしない為だと考えると、気遣いは行き届いていると言えますね。
ちなみに注意書きには、予定していた340席から430席に増席した事。試合は4試合+
ボーナスマッチの1試合を予定しているなど注意事項が箇条書きされていました。

 さて。開場は15時..。果てしなく長い戦いです。自分がこれほど長く並んだのは
武道館での三沢小橋戦を観戦する為に当日立ち見券を買う時以来。
あの時は雨が降っていて寒かったのを覚えています。今日晴天だったのは本当に良い良い。
耳に聞こえてきた他の方達の会話よると、一番に並んでいる方達は始発に乗ってきたとか..。
ただただその気合いの入りように尊敬の念を感じるばかり。

 後から並んで来る方々は、カップルや親子連れ、女性or男性同士の友人同士、
そして女性一人という方も結構いらっしゃいました。いづれにせよ熱い魂の持ち主です。

 時間が経過し、開場時間間近..。気を効かせたのか、15時になる15分前に開場。
そしてSEM興行の席取りに関しての説明がされます。SEM興行は自由席。
チケット代を払うと渡されるシールに名前orニックネームを記して自分の座席に貼る。
自分以外の座席の確保は厳禁!という事です。ここら辺は公式サイトの説明通り。
(*筆記用具を持ってきていないお客さんには場内で筆記用具を貸してもらえました。)
 
 一通りの説明が終わると、いよいよ入場です。代金3000円を払うと、
テープ付きの名札と記念DVDを渡され会場ロビー入り。自分は椅子取り合戦になるのでは?
と懸念していたのですが、そういう事はなく、客席のある会場には
何十人単位で観客を順に区切って入れていくという、争いや混雑を避ける入場規制の敷きよう。
頑張っていますよ、スタッフ。これと言った落ち度が見当たりません。

 会場に入るといきなり自分がプロレス記者に写真を撮られます。こんな事なら
もっとお洒落をしてくるべきでした。まあ自分の写真なんて絶対使われないでしょうけどねw
最前列はほとんど埋め尽くされていたので、二列目の通路真横の席に着席。
今大会の座席は西・北・東・南で4・4・4・3列と用意されていました。
増席した、という事なので本当は3・3・3・2列でやるつもりだったのでしょう。
確かに4列目は座高の関係で微妙に見にくそうでした。この事から、
当初の340席というのは観客の見やすさを考慮した上での数字でもあったのでしょうね。

 ロビーではNOAH後楽園ホール大会のチケットや、SEMのロゴ入りTシャツが
販売されていました。極一部の女性ファンは購入してすぐに着衣。熱狂的だw
入り口付近を見ていると、15時以降から会場に来たお客さんも入れています。
長時間並ぶ必要は特になかったという事が判明した瞬間です。その分、良い席に着けているのですがね..。
そうこうして時間を潰している内にようやく..、ようやく..、ようやく試合開始!
SEM仕様の桃色のマットの上で、新たな歴史の1ページ目が遂に開かれます。


  第一試合 ○SUWA 対 平柳努×

 SEM興行では対戦カードが全て当日発表。選手の入場テーマでやっと
誰が出場するのか判明すると言った形式です。そして記念すべき第一試合、
会場に鳴り響いたのはSUWAのテーマ曲。会場北西側から先に入場してきたのは
平柳。その後に北東側からSUWAが入場。新人選手が自身のテーマ曲にのって入場、
というのは今回は無かったです。それは今後の活躍次第となるのでしょうね。

 試合開始前、対峙する両者。平柳が歩を進めると、おもむろに中指を突き出して
SUWAを挑発。いきなり大胆な行動に出る平柳、後がどうなっても知らないぞw
そして試合開始。開始直後は意外にも両者グラウンドを展開。
平柳が懸命に動き回るものの、SUWAが落ち着いて対処するといった流れ。

 グラウンドの攻防がSUWA優勢で終わると打撃の応酬。ここでもSUWAが優勢。
試合時間が経つにつれて次第に激化するSUWAの攻めに、終始圧倒され続ける平柳。
やっと返せた技はドロップキックぐらいでしょうか?

 逆襲に転じたい平柳、気付かぬ内に口から流血。息づかいも呻き声となりつつも
逆エビ固めへ。しかし体力を消耗している為に中々SUWAを反転させられません。
ようやく反転させたは良いものの、今度はSUWAが腕を立てて腰を落とさせてくれない。
その後、何とか一旦は腰を落とすのですが、体力が尽きたのか平柳が前転する
形で逆エビ固めの攻防が終了。SUWAの厳しさと愛情を感じた攻防です。

 活路を見出せない平柳は叫び声を上げてセカンドコーナーからのスイングDDTへ。
しかし当然の如く平柳を投げ捨てたSUWAは中腰の平柳へ低空顔面ドロップキック。
平柳、何とか起死回生の抑え込みを狙いますがカウント3は途方もなく遠く、
ロープに走った所をSUWAのカウンターラリアット。止めとなる高角度パワーボムに轟沈です。
平柳、何もできず。プロレスの厳しさを痛感した試合になったのではないでしょうかね。



  第二試合 ×伊藤、志賀 対 太田、金丸○

 第一試合終了後、次に鳴り響いたのは金丸のテーマ曲。会場の女性ファンも
ざわめきます。金丸と同時に入場してきたのが黄色いコスチュームの太田。
自分は平柳以外の新人4人衆を見るのが本日初めてだったのでとても楽しみだったのです。
金丸達が入場し終えると今度は志賀のテーマ曲。志賀と入場してきたのは
黒いコスチュームを身にまとった伊藤。若干太田より上背がありそうです。

 試合開始前のレフェリーチェック。レフェリーが志賀のボディチェックを行っている際に
異変に気付きます。志賀は開き直ってロングタイツからミニサイズの木槌を取り出し、
いきなり太田へ木槌攻撃。仕方なくレフェリーはゴングを要請。

 窮地に立たされる太田、一方的にやられ続けます。しかし太田が反撃に移ると
手にしていた木槌を手放してしまう志賀、その木槌は太田の手に..。
木槌を振り上げる太田、観客もやり返せ!とばかりに盛り上がりますが
ここはフェアプレー精神を重んじた太田は木槌を場外に投げ出します。(会場拍手)

 試合の権利は太田と伊藤へ。両者は新人同士らしい基本的なグラウンドの攻防へと移行。
やや伊藤が優勢となりつつありましたが、太田は金丸と交替。すると金丸が
伊藤を場外に連れ出し鉄柵スルー×2、ボディスラムで一気に伊藤を攻め込みます。
リングに戻ってからも伊藤の胸板を蹴りあげる金丸、一切容赦なしです。

 そんな金丸ですが、太田が捨てた木槌をこっそり拾って志賀を場外に弾き飛ばす→
木槌を志賀にパス→金丸頭を痛がる→レフェリーが志賀を注意(会場笑)という
ムーブを繰り広げるなど、しっかりお笑いを混ぜ合わせる多彩さを発揮。
志賀&金丸共に、若手中心の試合と言えども観客を盛り上げる事を決して怠りません。
それでいてパートナーの新人が劣勢になると必ずと言って良いほど
懸命に激を飛ばす優しい先輩ぶりも見せてくれる所は流石と言えます。

 そして試合は次第に先輩レスラーの厳しい攻めに耐えながらも新人同士が
懸命にしのぎを削ると言った試合へと変貌を遂げて行きます。
太田はノーザンライトSH、エアプレーンスピンと大技を披露。
更には会場中から「おお〜!」という歓声を巻き起こすコーナーマット駆け上がり式の
ブルドッキング・ヘッドロックを敢行。この技は太田の中で一番良い技でした。
対する伊藤も豪快なダブルアームSPや、相手の後頭部を打ち付ける走り込んでからの
小川式ネックブリーカーを放つなどダイナミックな技を披露。
しっかりと初見の自分に対して自己紹介をしてくれました。

 試合も終盤、両チーム共に連携プレーでもって相手チームの分断を狙いますが
優勢に立ったのは金丸チーム。上手く志賀を場外へ追いやりリング上には
金丸と伊藤が残る形となりました。消耗の激しい伊藤に対して金丸は
ムーンサルトプレス、ラリアットと重ねて行きますが、志賀のカットプレーもあり
伊藤は何とか難を逃れるものの最後は金丸の垂直落下BBに敗北。

 中々の熱戦だったと思います。太田はよく声が出ているな、と言った印象でしたが
基本的に動きが小さいです。そしてカットプレーもまだまだお粗末。
伊藤もまだまだ動きにぎこちなさがあるように見受けましたね。
それでも一生懸命さは充分に伝わってきましたので、良かったです。



  第三試合 ○モハメドヨネ 対 谷口周平×

 ヨネのテーマ曲が鳴ると先に入場してきたのは新人の中で唯一のヘビー級谷口。
リング上で向かい合ったヨネと比べてみるとわずかにヨネよりも小さい感じが
しましたが、やはり人材の少ないヘビー級故に期待せずにはいられません。

 試合開始、まずはタックル合戦。一見五分に渡り合えたように見えた
谷口ですが、よろけて尻餅をついてしまいます。打撃を打ち合っても
当然の事ながらヨネを打ち負かす事はできません。ヨネは毎度のネックロックへ。
会場四方から「コッチ!」と言う声援が飛びますが、お客さんも少し
気を使って言っている様子。やはり観客が少ないと(自分が言ってあげなきゃ..)という
気持ちになるのかも知れませんね。ヨネの顔見せネックロックは無事に終了。

 やられてばかりいられない谷口、投げ捨てジャーマンを皮切りに反撃開始。
更に谷口はフロントSPでヨネを豪快に投げ、逆エビ固めへ。しかしヨネはロープブレーク。
ならばと谷口は会場がどよめく高角度ジャーマンSH!惜しくもこれはカウント2。
潜在能力の高さを見せてくれた谷口ですが、反撃もここまで。ヨネの一発一発
重みのある攻撃に体力を奪われていた谷口、最後はキン肉バスターに沈む結果となりました。

 試合後はヨネが健闘を讃えて握手。近い将来、NOAHを代表するヘビー級レスラーとして
二人が大舞台で戦う日が来るかも知れないと考えると貴重な一戦を見れたような気分です。




  第四試合 ダコタ、○丸藤 対 青木×、マルビン

 10分間の休憩の後に本日のメインイベントが開始。
まずはマルビン組の入場。パートナーは青いコスチュームの青木。
そして会場に鳴り響くは丸藤のテーマ曲。会場の女性ファンが一気に色めき立ちます。
丸藤のパートナーはダコタ。履いているのはソックスでしょうか?
足の前方部分と踵の部分は肌を露出しています。履きたいんだか履きたくないんだかw

 先発は丸藤と青木。開始直後は基本的なプロレスムーブ。
足を取られてうつ伏せにダウンする青木。丸藤はロープに走って
顔面側頭部にスライディングキック、しかし青木は冷静に立って避けると
お返しと言わんばかりに中腰状態の丸藤の顔面を蹴ろうと足を突き出します。
その青木のキックを素早く避ける丸藤、再度蹴ろうとする青木、
また避ける丸藤、再々度蹴ろうとする青木、それをまたまた避けて立ち上がる丸藤。
一連のスピーディな攻防を終えて睨合う両者に会場はこれまでで一番の盛り上がり。

 試合は次第に青木が捕まり続けると言った展開。やはり攻めるにせよ、
受けるにせよ新人である青木がこの試合の主役という印象を受けました。
しかし脇を締めるマルビン、ダコタも影が薄いという訳ではありません。
マルビンはロープを利用した三角飛びムーンサルトやS・ウィザードで、
ダコタはノアファンの間ではお馴染みとなりつつある「イヤッホー!」ボディアタックで
会場の観客から声援を引き起こしていました。私的にダコタの今後は楽しみです。

 試合中盤、未だ劣勢に立たされ続ける青木。しかしこの選手はやられている姿も
しっかり様になっています。新人5人衆の中では群を抜いている存在と見受けました。
自分の前方の女子中高生ファンからは熱心な「青木〜!青木〜!」と言う声援が..。
どうやら以前から青木に目を付けていた様子。やはり引き付けるモノがあるのでしょうか?
とは言え丸藤が活躍している時は「丸藤〜!丸藤〜!」と叫んでいるのですがねw。

 試合終盤、綺麗なブリッジでノーザンライト・SHを放つ青木。
再び丸藤との絡みに突入します。丸藤はここまで
場外で青木を痛めつけたり、
グラウンドで体力を消耗させる程度の技しか出しておらず、引き出しを開いていない状態。
その丸藤から一つでも多くの引き出しを開けさせて欲しい所。

 青木は丸藤の腕を掴んで脇固めの体勢へ。そうはさせじと丸藤は開いている腕でパンチ。
ならばと青木はそちら側の腕を掴んで脇固め→丸藤前転→青木渾身の腕ひしぎへ。
その腕ひしぎを逃げられた青木は余力を振り絞ってジャーマン・SH。
新人の青木の奮闘に会場の興奮度も急上昇!自分の前方の女子中高生ファンは、
青木を応援しているのと丸藤がピンチなのとで「青木〜!丸藤〜!青木〜!」と
声援が混ぜこぜ状態にw。一方後方にいる自分を含めるお客さん達は
そんな応援の仕方に対して「どっちなんだよ?w」と苦笑しながら総突っ込みw。
彼女達のような若くて元気なファンがこれからのNOAH及びSEMを
支えてくれるんだと思えば、非常に心強く思えた一幕でもありました。

 ジャーマンを返された青木、万策が尽きると今度は丸藤が反撃開始。
キレの良いトラースキックを的確に青木の側頭部へ。青木何とかこれを自力で返しますが
再度充分な間を効かせた丸藤のトラースキックに3カウントを聞く結果となりました。
試合後、丸藤から握手を求めれた青木は握り返す事なく、
パン!と手を払って丸藤を敵視。こういう所も既に新人の域を抜け出しつつありますね。



  第五試合 杉浦、森嶋 対 KENTA、力皇

 メインイベント終了後、特別試合の始まりです。
まずはKENTAが入場。続いて力皇、杉浦、森嶋の順で入場です。
森嶋がロープを跨いでリングイン。開始のゴングはKENTAのキック攻撃となりました。
しかし動じない森嶋はKENTAを睨み返します。ロープに走ってもう一度
森嶋を蹴るKENTA。そのKENTAに向かって吠える森嶋。
KENTAが再びロープに走った所をカウンターアタックで動きを止めると
開始早々強烈な裏投げ。この一投でKENTAはしばらく戦線離脱。

 そして向かい合うのは力皇と森嶋。両者は激しいショルダータックルの応酬へ。
これまでの試合になかった極重超大な体躯の正面衝突に観客も思わず見入ってしまいます。
五分に終わったタックル合戦の後はド派手な森嶋のハンマーと力皇の張手の打ち合い。
試合序盤から相手に遠慮なく重戦車がミサイルを砲撃し合っているかの迫力です。
何とか力皇が張手&ラリアットコンボで森嶋がダウンを奪いますが、
力皇もダメージがあったのか両者ダウン状態。会場からは拍手が起こります。

 試合権利は森嶋から杉浦へ。力皇をコーナーに振った杉浦は力皇の腹部目がけて
スピアー、そのまま抱え上げて水車落とし。続けてうつ伏せになっている力皇を俵投げ。
力皇ですらヒョイと投げてしまう杉浦の怪力ぶりに、思わず周囲から
「すげ〜..。」と言う言葉が漏れます。ただ背中のバンテージが少々気になる所。

 そしてようやく戦列に復帰したKENTAはコーナーに控える森嶋にキック、
杉浦にキレの良い蹴りを放つなど先ほどのダメージの深さを感じさせない活躍。
この試合で印象深い対決はそのKENTAと森嶋の感情剥き出しの攻防だったと思います。
試合中盤ではKENTAがスワンダイブのドロップキックやジャンピングフロントキックを、
森嶋は受け身でなく威力で前転させている?と思わせるぐらいのキチンシンクを見舞います。

 更に試合終盤では森嶋は投げ捨てる際にはジャーマンになりつつあった危険なバックドロップをKENTAに。
対するKENTAはハイキック連打、型を超えた意地のブサイクへの膝蹴りを森嶋に放ちます。
大技をぶつけあった故に体力がなくなっていたのか、時間切れまで後わずかと言う所で
両者は膝を付きながら打撃の応酬。最後は決着が付かず時間切れの引き分けでしたが
これまでのNOAHにあまり見られなかった感情を爆発させた試合を見せてくれたので満足です。
試合後、少々疲れた表情で立ち上がる森嶋、対するKENTAは中々起き上がれず。
ヘビーとJrの体力差を改めて感じさせられた気もしました。これにて興行は終了!


  感想

 観客はほぼ満員。全試合見所があって良い興行だったと思います。
安い料金でありながら良い席で試合が見られる、それだけで充分に満足できました。
時間を割いて並ぶという労力を惜しまなければ最前列でプロレスを楽しめるのも
SEM興行の売りだと言えるでしょうね。そこにはNOAHにはない魅力が確かにあったような..。

 スタッフの働きも上々で良かったです。会場外で並んでいる際も、
不正な割り込みは絶対させないように取り締まっていましたし、
会場内でも空席に荷物を置いている方に対して徹底して注意喚起しておりました。
何としても興行を成功させようとする気迫がヒシヒシと自分にも伝わってきましたよ。
その気持ちが実った興行だったように思えます。お疲れ様でした、と言ってあげたいですね。
それでは、今後のSEM興行にも期待して行きましょう、という所で観戦記は終了です。