イホ・デ・カニス・ルプス Hijo de Canis Lupus 178cm/107kg メキシコ、パチューカ出身/IWRG所属 タイトル歴:IWRGジュニアヘビー、IWRGインターコンチネンタル選手権 「狼」を意味する「カニス・ルプス」を父に持つ二世ルチャドール。2010年からそのキャリアをスタートし、2015年には父が活躍したIWRGに登場。父と抗争を繰り広げたトラウマ兄弟(Traumas)と、親子二代にわたる血で血を洗う抗争に突入する。流血戦も厭わない荒々しい面ももちながら、ルチャ一家の出身者らしく、その基礎は確固たるものがあり、今年4月にはIWRGインターコンチネンタル王座を獲得。これまでに3度の防衛を果たした実力者でもある。
<試合> [第1試合]ヨネ・ストーム・×熊野 vs KAZMA・〇イホ・デ・ドクトルワグナーJr.・岡田 6人タッグでしたが6分くらいの短い試合でした。正直あまり印象に残っていません。イホ・デ・ドクトルワグナーJr.は初めて見ましたが、ファイトスタイルといいアピールの仕方といい、やっぱり何となく親父に似てますね。親父ほどの貫禄は流石にまだ無いですが。
[第2試合]彰俊・雅央 vs 多聞・百田 ロッキーのテーマで百田が入場して、レフェリーがマイティ井上。明らかに狙って「昔のNOAHの前座」を演出した試合です。 内容も「あ〜NOAHって前座はこんな感じだったなあ」と思わせるまったり試合。流石に百田も多聞も動きが悪くなってきましたが、そこは歳と練習量の問題でしょうから仕方ない。逆に言えば彰俊と雅央があんまり変わってない感があります。 雅央が多聞をスリーパーで捕まえた時、多聞が雅央のお株を奪って「レフェリー、チョーク!」ってアピールしてるのには笑わせてもらいました。そして覗き込んだマイティが、わざわざ本当にチョーク状態に手直しして反則カウントを取るという(笑) ちなみに全11試合を通して、試合中に反則でブーイングを食らったのはこの雅央だけでした(笑)
[第3試合]〇桜庭・大原・論外 vs 西村・×Hi69・宮脇 かなり異色な組み合わせでしたがこれが結構面白かった。8分程度でしたが個々の色が良く出た試合だったと思います。 西村は相変わらず巧いですね〜。この面子だと体が大きいからそう見えた部分もありますが、1人だけ格が違う。欲を言うなら桜庭との絡みはもう少し見たかった。 その桜庭は、ちょっと周りに合わせ過ぎかも…。ああ見えて結構クラシックなプロレスが好きなんでしょうけど、そこに染まっちゃうと彼の色が消えてしまうんですよね。 関節さえ取れば鉄板で沸くわけだし、実際膝十字→足4の字でフィニッシュの流れは目を見張るものがありました。ほかのレスラーに無い武器を持ってるのに勿体ない気がしますね。 あとジュニアはいつも通りかなと。大原と論外は随分スムーズに連携出しますね。大原が東京愚連隊に入ってもそのまま通用しそう。宮脇はいい選手だと自分は思うんですけど、もっとチャンス来ないのかな。
[第4試合]〇エディ・小峠・クリス vs 望月・稔・×クレイジー しばらくぶりのエディ・エドワーズ参戦。髭生やしてストリートファイトっぽい格好になっても人気は変わらずです。もっと日本にも来て欲しいなー。 外国人がメインで日本人が引き立て役に回ってる印象を持った試合でした。クリス・リッジウェイは初めて見ましたが、格闘技のバックボーンがあるんですね。道理でいい蹴りしてるはずだ。
[第5試合]×谷口 vs 〇藤田和之 藤田相手に谷口がどこまで暴れられるか。この試合の見どころはこの1点でした。 予想はしてましたが、短く激しい試合。最初睨み合いが長く続きましたが。いざロックアップしたらその後は速かった。谷口が藤田を痛めつけ、マイバッハプレス2発行ったものの仕留められずに形勢逆転。後は藤田が顔面サッカーボールキック2発からスリーパーで落としてレフェリーストップ。 面白いか面白くないかで言えば緊張感も十分あって面白かったのですが、谷口だったらこれくらいは出来るよなあ…とも思ったのが正直なところです。
[第6試合]小川・×鼓太郎 vs 原田・〇タダスケ 初めて組んだのが15年前という、長〜い歴史がある小川と鼓太郎。(ちなみにその時の観戦記が下記です。興味があれば下のURLの頭にhを足して飛んでみて下さい) ttp://noah-navi.com/kansen/n20040403differ.html 原田とタダスケも組んで長いですが、流石にキャリアと巧さの面では小川と鼓太郎にはかないません。見てた時は鼓太郎がタダスケにエンドレスワルツで決まりかと思ったのですが、そこから一気に試合がひっくり返ったからびっくりというか、え?という感じ。最後はタダスケが鼓太郎にアウトキャストを決めて自ら初戴冠に華を添えました。
[第7試合]〇HAYATA vs YO-HEY GHCジュニアの選手権試合です。14分ほどでしたが、ちょっと長く感じた試合でした。決して悪い試合では無かったのですが、この2人だったらもっとスピーディーな攻防を期待したかったところ。 YO-HEYはいいところまで行くけど、ここ一番で勝てないですね…。HAYATAが2度ベルトを巻くくらいなら、YO-HEYが巻いても全然おかしくないと思うんですけどね。
[第8試合]〇中嶋・潮崎 vs ×北宮・稲村 GHCタッグです。中嶋と北宮の因縁、キャリア1年2か月の稲村の抜擢といったところがポイント。 その稲村ですが、体もでかけりゃスタミナも現時点で結構ありますね。序盤で早々にローンバトルを強いられ中嶋と潮崎にボコボコにされましたが、最後まで動きが落ちなかったのはきっと練習の賜物だろうと想像します。最後は分断されて北宮が中嶋にバーティカルスパイクで切って落とされましたが、どっちに転んでもおかしくない試合でした。稲村はこれからも楽しみな人材だと思います。
[第9試合]×丸藤 vs 〇ムタ 良くも悪くもムタの試合。半身にペイントを施して臨んだ丸藤も色々考えてきたんでしょうが、ムタのハチャメチャはさらに上を行っていたw 口を塞がれて毒霧をガードされるや否や、火炎放射で丸藤の動きを止めた時点で勝負あったという感じ。見てる方は面白かったですけど、丸藤は発想力で負けた時点で悔しかったんじゃないかな。
[第10試合(セミファイナル)]〇杉浦 vs ×エルガン 新設のGHCナショナル王座戦。コミッショナーとなった長州力がパワーホールで入場して立ち会いました。 両者クリーンに握手から試合開始。後はひたすら肉弾戦。いや、凄いわエルガン。パワフルなのはもちろんですが、単なる馬鹿力レスラーではなく総合力が高いです。飛べるしグランドも出来る。杉浦のアンクルホールドを切り返してグラップラー・フェースロックで組み付いた辺り、テクニシャンの一端も見えました。そして全日本〜NOAHのこれまでのプロレスをよくご存じでいらっしゃる。 ただエルガンがNOAHの主力陣と決定的に違うのは、何だかんだで攻め主体の選手だということ。杉浦と比較するとそこは如実にわかる部分で、この辺はやっぱり外国人ですね。小橋建太の影響大なファイトスタイルではありますが、小橋のように徹底して受けまくって耐えまくってコールを引き出すタイプでは無いです。 最後はオリンピック予選スラムで決着が付き、再び長州氏から杉浦にベルト授与。杉浦コールの後にはエルガンコールが場内から起こり、最後はノーサイド。これはNOAHらしくていい光景でした。 間違いなくこの日のベストバウト。エルガンはNOAHだけ見てるわけじゃないのですぐにとはいかないかもしれませんが、次の参戦は必ずあるでしょう。
[第11試合(メイン)]〇清宮 vs ×拳王 GHCヘビー。前の試合が盛り上がったので大丈夫かと思いましたが、2人とも頑張ったと思います。 声援は拳王の方が多かったと思います。物議を醸したフットスタンプですが、試合を見ててこれはこれでありのような気がしてきました。よく見ると狙う部位も出すタイミングもよく考えてる。本人は「前蹴りを両足でやってる感覚」と以前に言ってましたが、実際そのつもりでやってるんでしょう。乱発は困りますけど、フィニッシュも取れる痛め技ということで大事に使ってるのは伝わってきました。 清宮は応援したくなるキャラですね。試合中の声援は拳王に負けてましたが、支持されてないわけでは無いと思います。試合後のマイクも実に真っ直ぐでNOAHらしくて良い。ただ、試合は1つ1つの動きが綺麗過ぎてかえって重みが足りなく見えます。もう少しえげつなさがあった方がいいと思う。逆に言うと気になるのはそこくらいです。